情報収集と対策を練ると共に継続した運用を!

高齢者ケアを行ってる現場では、利用者が自宅に戻るときに施設の内外で転倒したり、送迎車への乗り降りで躓いてしまうといった、様々なリスクが存在します。
施設ではその対策として、一人で勝手に外出できないように出入口に施錠をしたり、ゆったりと落ち着いて安全に移動ができるように、介護士が移動の度に付き添ったりしていることと思います。
また、立ち上がり動作に支障がある場合には、動作に反応するセンサーの設置などを行なっているところも多くあるでしょう。

介護現場では、想定される事故を見つけ出し、どのような場面でどのようなリスクが起こり得る可能性があるのかなどを把握して、職員全員が共通の理解と方向性で対応策を共有できるリスクマネジメントに取り組むことが重要になっています。
リスクマネジメントには、リスクの特定や分析評価、対応策、運用の4つのステップがあり、まずは施設や事業所内でのヒヤリハット報告などを参考に、利用者に被害を与えてしまう可能性のあるリスクを知ることがすべての鍵になります。

そして、発見したリスクについての具体的な分析と評価を行ない、それらの適切な対応策を考案することになります。
その際、対応策の実行はもちろん、施設や事業所内で誰もが運用できるように業務マニュアルを整備してシステム化することもポイントになります。

継続的にリスクマネジメントを運用していく方法としては、職種や職位など多職種がメンバーとして構成される安全管理委員会を設置し、定期的にリスクマネジメントを考える体制を整えることが効果的です。
忙しい業務の合間で、このような取り組みを実施することは容易ではないかもしれませんが、高齢者の安全を守るためにも、ぜひ各施設での適切な対応に期待したいものです。