介護現場にける事故の防ぎ方

デイサービスや有料老人ホームなどの、介護施設内外で起きる事故の中には、介護者の手順ミスや忘れなどによるものも少なくありません。
しかし、そのような介護事故を未然に防ぐ方法はあるので、ここではそのことについて話したいと思います。

まず、基本的なこととして、丁寧な声かけがあります。
「そこに段差があるので注意してください」「ゆっくり身体を起こしましょう」「車椅子を動かしますね」などのように、周囲の状況を伝えたり、これから行う手順を一つ一つ利用者に教えて介護を行うのです。
声をかけることで、利用者はこれから行う動作に対して心の準備ができますし、いつもと手順が違えば質問することもできます。
声かけをすることで介護者自身が自分のやっていることを意識することにもつながるので、手順を忘れくくなる効果もありそうです。

また、介護中に利用者の表情を頻繁に見ることも、とても有効な介護事故防止策になります。
利用者の中には、「痛い、苦しい、やめて」など言葉でのコミュニケーションが困難な方もいます。
このような方の場合、表情を見ながら介護を行わないと介護事故につながることもあります。
相手の表情から目を離していると、食事介助では、喉に食べ物が詰まって息苦しそうにしている利用者がいても気づくことができません。
さらに、入浴中、シャワーの湯温が変わって熱いという表情を見逃して大火傷をさせてしまう可能性もあります。

そのため、優しく丁寧な声かけをしたり、相手の表情を頻繁に確認することを習慣にしておけば、介護事故のリスクは大幅に減らすことができるでしょう。
利用者は作業対象ではなく血の通った人間です。
相手を1人の人間として重んじ、温かく接することが一番の介護現場の事故防止につながるのです。